同じ処方せんでも持ち込む薬局によって値段が安くなるって本当?

節約

こんにちは、サラリーさんです。

我が家では昨年、家族全員がコロナウィルスに感染して皆でクリニックと薬局には大変お世話になりました。

こんな感じで具合が悪くなったときには病院やクリニックへ行って診察を受け、診察後に処方せんを受け取り、お薬をもらうために薬局を探すことが一般的になっています。

お薬の値段(薬価)は国が決めているし、どこの薬局に行っても支払う金額は変わらないだろうから、とりあえず一番近い薬局に行こう…

それ、ちょっと待ったほうがいいかも。

薬価は同じなのに…何故?

実はお薬代は、処方せんを持ち込む薬局によって変わるんです。

お薬の値段(薬価)は国が一律に決めているはずなのに、処方せんを持ち込む薬局によって支払う金額が変わってくるのは何故か。それは、お薬それ自体の費用(薬価)以外に様々な手数料等が乗っかってくるから。

細かく説明すると長くなりますが、例えば、

  1. もらうお薬をジェネリック医薬品に変更しているかどうか
  2. 処方せんを持ち込む薬局がジェネリック医薬品に積極的かどうか
  3. 多店舗展開しているグループの薬局かどうか
  4. その薬局が病院の敷地内にあるかどうか
  5. かかりつけ薬剤師を指名しているかどうか

こんな感じで実際に支払うお薬代が処方せんを持ち込む薬局によって変わってきます。

処方せんを持ち込んだ薬局が多店舗展開しているグループに属しているかどうかで我々が支払うお薬代が変わってくるなんて、厚生労働省の制度設計は理解できませんね。

でも、こんなことは薬局に入って支払いをするまで分かりません。高いかどうかも分からない買い物をするのは避けたいところ。年に数回風邪を引いて薬をもらうだけならまだしも、慢性的な病気で毎月薬局に行くような人にとってはできる限り安く済む薬局を選びたいもの。

お薬代が安く済む薬局を見分ける方法はあるのか…

お薬代が安く済む薬局を見分ける方法

実はある程度お薬代が安く済む薬局を見つける方法はあります。

手っ取り早い方法としては、病院に通うたびに違う薬局に処方せんを持ち込んでみて、その中で最も安く済んだ薬局に通い続ければOK。ただし、以下のようなデメリットもあります。

  1. 処方せんのお薬の内容が常に同じというわけではないため、同一条件での比較が難しい
  2. ジェネリック医薬品に変更するかどうか、もしくは変更したジェネリック医薬品のメーカーによってお薬代が変わってしまう
  3. 突然別の薬局に行くと、処方せんに書いてある薬が無い場合がある

あとは、いつも行っている薬局でもらった調剤明細書を別の薬局に持って行って、「こちらの薬局で同じ薬をもらうと安くなりますか?」と聞くのが確実なんですが、私はメンタルがそこまで強くないので無理かも…

どうにかして事前にお薬代が安くなる薬局を見分ける方法は無いのか…

事前にお薬代が安くなる薬局を見分ける方法

事前にお薬代が安くなる薬局を見分ける方法は無いわけではありません。ただ、ちょっと面倒。

この方法は住んでいる地域によって変わってきます。

例えば東京都に住んでいるなら、

  1. 「厚生局 施設基準 東京都」と検索
  2. 「保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧」(地域によってページの名称は変わるので、必ず施設基準の項目を参照してください)のページが見つかったら、下の画像の赤枠の部分をクリック
  3. 東京都の薬局一覧が表示されたら、下の画像の赤線の部分に注目

    A薬局が調基1(調剤基本料1)の費用だけであるのに対して、B薬局は調基1(調剤基本料1)の他に地支体2(地域支援体制加算2)と後発調2(後発医薬品調剤体制加算2)の費用もかかってくることが分かります。処方せんを持ち込む薬局によってお薬代に差が出るのは、こういったことも原因の一つになっているんです。
    ちなみに、「施設基準の名称一覧表 薬局」や「調剤報酬点数」で検索すればそれぞれの項目がどのくらいの点数なのかを調べることが可能です。

何でこんなに分かりにくい料金体系なのか

薬局によってお薬代が変わってくるのは何となく理解できたと思いますが、そもそも何でこんなに分かりにくい料金体系になってしまったのか。例えば、先程出てきたキーワードに「調剤基本料」「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」というものがありました。

  1. 調剤基本料
    1ヶ所の病院から多くの患者さんが集中している薬局(儲かっている薬局)や多店舗展開しているグループの薬局(多店舗展開の交渉力で医薬品などを安く仕入れている)、病院の敷地内にある薬局(病院の患者さんはほぼ全員その薬局に行く)は安くなる傾向にあります。
  2. 地域支援体制加算
    厚生労働省の説明によると、「かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局を評価したもの」というよく分からないものです。薬局の現場で働いている薬剤師さんたちもよく分からないまま、薬局チェーン本部や薬局オーナーからとることを強制されている場合もあるようです。
  3. 後発医薬品調剤体制加算
    ジェネリック医薬品に切り替えるとお薬代が安くなります。我々としては嬉しい限りですが、それでは薬局の儲けが少なくなって薬局がジェネリック医薬品に切り替えるのをためらってしまう可能性が出てきます。そういったことを防ぐため、積極的にジェネリック医薬品に切り替えを進めている薬局は患者さんに対してこの加算を請求してもよいことになっています。

3の後発医薬品調剤体制加算は何となく理解できます。1の調剤基本料も「儲かっている薬局は少しくらい安くなっても経営できるよね?」という厚生労働省の意図がよく分かります。2の地域支援体制加算はよく分かりません。

私ならば、地域支援体制加算をとっている薬局には行きたくないですね。この加算が本当に我々にとってメリットのあるものならば、もっと周知徹底するべきだと思います。

同じ処方せんでも持ち込む薬局によって値段が安くなるのは本当だった

薬局のお薬代が何でこんなに分かりにくい料金体系になっているのか1つ1つの項目を詳しく調べてみると、理解できる部分もあれば結局よく分からないままのものもありました。保険証を使うので実際に薬局で支払う金額は1割~3割くらいにはなるものの、納得できない費用は支払いたくないのが我々の本音。

薬局にこだわりがなく、とりあえず安くお薬を渡してもらえるだけでいいという方は、このページを参考にして少しでも安く済む薬局を探してみるのも面白いかもしれませんね。

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